セカイ見聞録

~とある大学生の世界一周・人との出会いの記録~ Since2014.7.1

働く意味について考えさせられる@ポトシ銀山ツアー

 

リアルタイム

チリの首都サンティアゴからバスで2時間。優雅なリゾート地ビーニャデルマルに滞在中。

 

 

ウユニ〜ポトシ間移動

 
ウユニの街からポトシ行きは1日数便バスが出ている。
 
所用3時間、25ボリ(約430円)
※30ボリから簡単に25ボリに値下げできた

 

この区間は舗装道路で比較的快適だった印象。 

 

 

Pabloとの出会い

標高4000mを超える鉱山の街、ポトシ
 
 
ポトシでは"南米最強のホットシャワー"と噂される宿Hostal Compania de Jesusに宿泊することに。
 
※噂通りの熱いホットシャワーで温度の調整が難しく、ヤケドするくらいだった。笑
 
 
同じ宿だったパブロというおじさんと仲良くなる。
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このパブロ、誰かに似ている気がした。
 
 
うーん…。
 
 
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…。
 
 
…!後ろ姿が大学の心理学の教授そっくりだった。笑
 
 
 
 
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チリ人なので肌の色は少し違うけれど、けっこう似ていたw
 
※ちなみにPabloは心的外傷を負った患者のためのカウンセラーをしている。(心理学の中で扱う分野は違うが)心理学という大枠でいくと教授とおなじことやってたw
 
 
 

鉱山ツアー[その1]Miner's Marcket

 
 
ポトシ銀山ツアーに参加することに。
費用は50ボリ(約860円)、所用4時間。
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利用したツアー会社はPotoch Hij Tour.
 
 
 
 
 
初めにコカの葉、アルコールを扱うMiner's Marcketを訪れる。
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コカの葉…つまりドラッグの一種であるコカインの原料なのだが
ボリビア、ペルーでは普通に売られている。
(コカ茶は高山病予防として現地の人から愛飲されている。)
 
※隣国チリにコカ製品を持ち込むのは違法なので注意。
 
 
 
コカの葉について説明するガイドのアントニオ。どうやら元鉱夫っぽい。
 
 
 
彼が本当に面白くてなんならR1グランプリにでも出場させたいくらいだ。
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坑夫達は1日8時間労働で昼食を取る暇がない。空腹や疲労、眠気を紛らわすためにコカの葉をガムのように噛み続けながら長時間労働しているとのこと。

 

アントニオ「このコカの葉は鉱夫達にとってレッドブルみたいなものなんだ」

 

 

続いて紹介があったサトウキビから作られたスピリッツ。

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度数はなんと96%でポーランド原産のスピリタスと同じ度数。鉱夫達はこれを飲んでいるようだ。ここまでアルコール度数が高いとヤケ酒といっても過言ではない。鉱山の過酷な労働環境ではヤケ酒する気も分かる気はするが…。
 
 
1ショット飲んでみたが喉や食道が焼けるような感じだった。
 
 
コカの葉とアルコールなどが入った1セットを働いている鉱夫達の差し入れのために購入。1セット10ボリ(約170円)。
(この時期はカーニバル期間でこの後訪れる鉱山に坑夫達がほとんどいないにもかかわらず買わされる)
 
 
 
 
続いてダイナマイトを取り出すアントニオ。
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ここポトシでは恐ろしいことにマーケットで簡単にダイナマイトを購入できる。
 
 
 
 
 
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アントニオ「ここでダイナマイトを買い込めば今日からキミもビン・ラディンだぜ☆」
 
 
 
一同「笑」
 
 
 
ダイナマイトを使ってふざけるアントニオ。危険物だということを完全に忘れてノってしまう一同。
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ダイナマイトをチ◯コに見立てた渾身の一発芸を披露するアントニオ。笑
 
 
 
ポトシの「夜の帝王」によるダイナマイト級の低俗ギャグに爆笑する一同であったw
 
 
 
 
「下ネタは国境を越える。」
 
 
これはどうやら本当のようだ。笑
 
 
 
 

ポトシ銀山ツアー[その2]鉱山内へ

 
 
 
さて、その後は鉱山へ向かう。
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この鉱山は世界的にはポトシ銀山と呼ばれるが現地ではCerro Rico(セロリコ鉱山)と呼ばれ、歴史的な価値が認められ世界遺産に指定されている。
 
 
そのうちの坑道の一つに入ってみることに。(※今も鉱山として発掘が続けられている。)
 
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標高は4500m。ただでさえ空気が薄く息苦しい。
 
 
 
坑道内はさらに空気が薄く、過酷なツアーとなった。
 
 
初めに待ち受けるのは深くて急な階段。
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ゆっくりと下りていく。
 
 
 
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その後も泥の道を下ったり、
 
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狭い道を進んだりと厳しい道が続く。
 
 
 
チリが漂う坑道内で呼吸するのはかなり辛い。
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 坑道内は真っ暗のため頭につけたヘッドライトを頼りにゆっくりと進んでいく。
 
 
 
空気が薄いのでかなり過酷だった。
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鉱山の奥へ進むこと約1時間、鉱山に祀られた石像を発見。
 
 
 
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いくつかの石像ひとつひとつにお参りをするアントニオ。
 
 
 
 
鉱山の歴史について説明をしてくれるが低酸素状態でグロッキーになっていたため聞き取る余力はなく、ぐったりと時間が過ぎるのを待つ。
 
 
 
(この鉱山で働いていた最年少は14歳。鉱夫達は古くから過酷な労働を強いられた、という話だったと思う。たぶん。)
 
 
 
そして鉱山から脱出。
 
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…死亡。笑
 
 
 
 鉱山内を少し移動しただけでこんなに消耗したのだから、ここで長時間働く坑夫たちの苦労は痛いほどわかる。
 
 
 
最後にアントニオと撮った1枚。
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みんな顔が死んでるのが印象的。笑

 

 

※この日はカーニバルの日だったので案の定、働いている鉱夫はほぼいなかった。 暑いと思っていた坑道内がめちゃくちゃ寒かったのはおそらく休みのせいかと思われる。
 
 
 

 働く意味を考えさせられる

 

鉱山ツアーを終えて考えさせられたこと。それは置かれる環境の違いと労働の意味について。

 

 

まだ学生ではあるがアルバイトなどで労働については多少なりとも携わってきた。

 

自分が日本にいた時は、時給1300〜1400円のコールセンターのバイトをしていた。頭を使うが肉体的にはそんなに負担のないバイトで学生にしては待遇のいい仕事。

 

 

 

それに比べて過酷な坑夫たちの賃金は1日約3ドルと言われている。

 

 

彼らの1日8時間の過酷な労働は自分が電話も取らずにボーとしてる15分の「労働」と対価なのだろうか、ふと考えてしまう。

 

 

 この疑問に関して置かれた環境の違いから考えてみると

 ボリビアと日本には経済格差があり、物価が大きく違うのでもとの賃金に差があるのは当然だといえる。

 

しかしあまりにも賃金の差が大きいのではないか。(ボリビアを旅してみて物価が安いと感じるが、賃金の差を考えると現地人にとっては決して安くはない。…むしろ高いと感じると思われる。こういった状況だとボリビアの人々はエンゲル係数が高くならざるを得ないので生活以外に趣味にお金をかける余力は低い。)

 

 

 

この問題は帰国後、復学して学びたいことの一つ。(自分の根底にある考え方は「必死に努力している人が報われるような社会づくり」というもの。)

 

 

 

わかりやすい例としては以下の記事。 

カンボジア繊維工場への社会科見学。ノルウェーの少女たちが涙した、そのワケとは? | TABI LABO

 

 記事はファッションに大金をかけるノルウェーの少女たちが、カンボジアの繊維工場を訪れる。そこで同年代の少女たちが低賃金で長時間労働する様子を目の当たりにして深く考えさせられる、というドキュメンタリー。

 

 このドキュメンタリーで取り上げられるノルウェー人とカンボジア人、生まれ育った国が異なると大きな違いが生まれることがわかる。

 

 

 

 

世界中を旅していて、幼い子供や10代半ばの少年少女が平日の昼間から物を売っていて(そんなケースはまだいい方で最悪の場合、物乞いをしていたりする)

 

「君たち、学校はどうしたの?」と聞きたくなるケースを多く目にしてきた。

 

 

生まれた国や置かれた環境が違うだけで約10000$〜20000$の予算を持って学生時代に世界一周を経験できるのか、それとも幼くして学校そっちのけで家業に従事させられてしまうのか。(旅できるのが幸せで学校に行けず家業に従事させられることが不幸とは決して言わない。しかしその選択肢が一部の人々に与えられていないことが問題だ。)

 

 

先進国にいる自分が考える、少年少女のあるべき姿とは、彼らが均等に教育を受けられるようにすることだと思う(例えばモンゴルの大草原で育った子供が幼くして羊飼いになって生活することに文句はないが、教育が加わることで彼の人生に少しでも選択の幅が広がると予想される。教育を受けた後で羊飼いになるのならそれで構わない。この点から教育=機会の均等だと考えている。)

 

 

 

 

 

一部の企業は利潤追求のために労働法労働組合が未整備である途上国の工場において

CSR(CorporateSocialResponsibility)に反したビジネスを行うことが問題視されている。

 

 

先日、中国にあるUNIQLOの工場の劣悪な労働環境が報道されて久しい。(【ユニクロ】中国下請け工場で過酷労働、賃金の過少払いなど法令違反が指摘される(画像))

 

 

以下の記事はファストファッションブランドの製品を生産する工場が崩壊した件について。【バングラデシュのビル崩壊】すべては安くお洒落な洋服のために。。。 | TABI LABO

 

先進国、つまり途上国の彼らを雇う側としてできることの一つに

少しでも彼らの労働環境を良くすること、こういった事態に対して厳しい消費者の目を持つこと(その企業が販売する製品をボイコットする…etc)は重要だ。

 

以上が置かれた環境について。坑夫達との待遇の差から思ったことを書いてみた。

 

 

 

 

続いて働く意味について。

 

 

 

「今後50年で消滅する職業予想」が雑誌に載り、半信半疑ながらも興味をそそられてつい読んでしまう。(技術革新によってポトシ銀山の坑夫達が大量失職する可能性も否定はできない。)

 

 

技術革新によって各分野で機械化が進み、ヒトが介入しなくても済む仕事が多くなるという。

オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種を徹底調査してわかった | 賢者の知恵 | 現代ビジネス [講談社]

 

ヒトの仕事が次々と機械に置き換えられていく。最新の自動車工場を見れば至極当然の流れだと言える。

 

 そんな中で機械やコンピューターに対抗する「ヒトの持ち味」とは何かが議論されている。(人工知能が人の知能を超える"技術的特異点"は訪れるのだろうか。もしそうなったらどうなるんだろう、とSFじみた心配まで噂される。)

 

 

自動車工場の例では、ヒトの労働が機械に置き換えられていくことに驚きがあまりなくなっているような気がする。

 

「ヒトだからできること」、から発展して「自分だからできること」

その点を考えて働くことへの意義を考えていきたいと感じた。

 

(自分は鉱夫達のような仕事よりも新たな付加価値を生み出す職業が向いていると、そう思った。そのためには多くの経験を積んで能力をつける必要がある。今後の課題だと感じた。)

 

 

 

 

 

(おまけ)迷走するパブロ

 
 
 
ツアー後は宿に戻って休むことに。過酷なツアーだったので仕方がない。
パブロはチリのサンティアゴに住んでいるということだったので今後サンティアゴに行くときに会う約束をして連絡先を交換する。
 
 
 
夜になり、事件は起こった。
 
 
 
宿のフロントにアントニオが姿を見せたのだ。…それもパブロと一緒に。
何が起こったのか頭を働かせているとパブロはフラフラだった。一瞬で察しがついた。
 
 
あの96%のアルコールを調子に乗って飲んだはいいが、標高4000mでアルコールが回りやすくグデングデンになっていた。
 
 
解放されて部屋に収容されるが事態は収まらずその後
 
パブロが道路の中央で倒れる→同じ宿のヨーロピアンに救出される
 
という事態が数回続いて宿は大騒ぎになった。
 
 
翌朝、ハゲ頭に絆創膏を貼ったパブロ(おそらく酔って転倒したのだろう)と会った時は何を話したらいいかわからず、なんとも気まずい時間を過ごしたものだった。(パブロの外見が大学の教授そっくりだったのでなおさら気まずかった)
 
 
ちなみにパブロにメールして数日が経つがまだ返事は返ってきていない。
 
泥酔した姿を見られた相手と会いたくない気持ちは分かる気もするのだが。笑 
 (こうしてサンティアゴを訪れた時にパブロの家に泊めてもらう策は破綻したのだった。)
 
 
次回はアタカマ砂漠について。
 
 
では、また。